[地魚BANK×za you zen]インタビュー「地魚に込められた想いを未来につなげる『地魚曼荼羅』」

2022.11.01
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「地元の港で水揚げされた魚しか使わない」「仕入れの際に値切らない」を貫き11年

「地元糸島の港で水揚げされたものしか使わない」「仕入れの際に値切らない」を貫き「うまい魚をこれからもずっと」を掲げる地魚BANKを主宰する、(株)いとしのいとしま代表の馬淵崇さん。
za you zen四季の塩を使った、タコ、ヒラス・ヒラマサ、イカのレシピなども考案いただいた馬淵さんに、今回は2022年7月に完成した『地魚曼荼羅』のお話をお伺いしました。

地魚BANKを主宰する(株)いとしのいとしま代表の馬淵崇さん


地魚BANKとは
(株)いとしのいとしまが運営する会員制の仕組み。福岡県糸島市の漁港に水揚げされた旬の地魚を提供する「志摩の海鮮丼屋」や「駅前のバル」「駅前の魚屋さん」を経営する中で、地魚を取り巻く様々な課題に直面。「うまい魚をこれからもずっと」食べられる社会の実現に向け、共感してくれる会員を募り、糸島の漁業関係者や料理研究家など様々な地域事業者と連携しながら、魚捌き教室や加工品開発、啓発・体験イベント等、地魚の価値を高めるべく、様々な活動を行っている。


目次

地元の人が地魚の魅力を知ることこそが地魚を守る大きな一歩

糸島では、冬場の牡蠣や、漁獲量が9年連続日本一の真鯛等については認知度が高まっている一方、その他にも四季折々で多種多様な魚介類が獲れていることは、地元の人にも知られていない。

多くの観光客で賑わう糸島だが、まずは地元の人が「糸島の今の時期はこれが美味しい!」と地魚のことを知り、その裏側にある漁師さんの想いや取り組みを応援して欲しいと想い、作ったのが『地魚曼荼羅』だ。『地魚曼荼羅』は表面的な知識にとどまらず、「食べてみよう」「買いにいこう」「捌いてみよう」「港を見に行こう」というような行動につながっていくことを目指している。

それは、曼荼羅の本家、弘法大師空海が真言密教を単なる座学による教えではなく、実践し体得することに重きをおいたことに習った。

地元糸島の風景画家や地魚イラストレーターに絵を描いてもらい、風景、旬の魚、漁法、美味しい食べ方や資源保護の取り組み等を月ごとに整理。掲載されている地魚は約60種。どの魚も季節になれば、市内の直売所などで手に入れることが出来る。
「例えば麦畑が色づいてきたら、イサキが美味しいよ」
「紅葉の時期になったから、そろそろマエビだ」
風景とつながり暮らしに寄り添うように考えてあり、子どもが見てもわかるようになっている。

この曼荼羅を地元の漁業関係者に見せたところ「昔はこんな漁があってな・・・」と言われた。確かにここ10年でも多くの漁が衰退、無くなったことを見てきた。この曼荼羅ももしかしたら、この先10年でまた全然ちがうものになるかもしれない。本当に魚が変わっていっていることを感じている。もしかしたら曼荼羅の内容はきっとこの先もかわっていくが、引き継がれてきた漁法や資源保護、鮮度保持のための取り組みやメンタリティは残したい。

 

生産者と消費者と二分せず交わることで寛容な世の中にしていきたい

海も変わっていくこの先の10年、社会に対してできること。生産と消費をわければわけるほどギスギスしてくる。10年間海鮮丼屋を営む中で生産側として心ない言葉をもらうこともあった。正しいことでも、正しいことを言うから人を傷つけていいわけではない。めんどうだけど、相手のことを思えるような社会をつくっていきたい。

100年前までは何かしらの生産現場を皆が持っている社会だった。魚を買う時は魚屋さんとお客さんでも、ある時はふすま屋さんとお客さんというふうに、売り手と買い手がグルグルといれかわっていたような世の中。迷惑かけたり、サービスしたり相手の立場を慮りながら関わっていた。

前日まで台風で魚を用意できなかったときに、10年前はお叱りを受けていたが、今はそういうことに理解をしてくださることも増えてきた。生産側に思いを馳せる人が増えていくと、権利ばかりが主張される状況じゃなくて寛容な社会になっていく。「矜持や嗜み」という古い言葉に顕れる精神性が大切だと考えている。

急に生産側にまわることは難しいが、例えば生産と消費が交わる一つとして地魚BANKに入って応援してくださったら嬉しい。遠方の方も年に1度でも観光に来てくださったらおもてなししたい。

お問い合わせ先:地魚BANK
全国どこでも糸島の地魚が味わえる四季折々の魚を目利きした地魚BOX
糸島の地魚曼荼羅:地魚BANK会員に配布

ご提供いただいた塩レシピはこちらからご覧いただけます。
[za you zenコラボ塩レシピ提供]地魚BANK